株主・投資家の皆さまへ
株主の皆さまにおかれましては、平素より格段のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
2025年5月期第45期の業績について
当連結会計年度は、日本語学校や保育・介護事業の売上増加により、創業以来、最高売上高を9期連続で更新しました。一方で、賃上げ・処遇改善に伴う人件費の増加や出店戦略の見直しによる統廃合と新規出店、設備改修に伴う費用の増加により、当連結会計年度の営業利益は前年を下回る結果となりました。また、閉鎖・移転する拠点の固定資産に対する減損損失として131百万円を計上しました。
この結果、売上高は26,455百万円(前年比1.4%増)となり、前年に比べ356百万円増加しました。営業利益は508百万円(前年比41.8%減)となり、前年に比べ364百万円減少しました。経常利益は343百万円(前年比59.3%減)となり、前年に比べ500百万円減少しました。親会社株主に帰属する当期純利益は93百万円(前年比81.6%減)となり、前年に比べ411百万円減少しました。期中平均の顧客数(フランチャイズ事業における末端生徒数含む。)は、35,875名(前年比2.3%減)となりました。
創業50周年を迎え、今後の50年に向けて
京進グループは、「学力と人間性を向上させる」学習塾からスタートし、現在では学習塾のみならず、保育、介護、語学教育などの多岐にわたる事業を展開する企業グループへと成長してまいりました。その背景には、「ひとりひとりを大切に」という理念のもと、お客様の人生に寄り添い続けてきた従業員のたゆまぬ努力があります。この理念は、当社の根幹であり、これから先も変わらぬ指針として受け継いでまいります。
さて、50周年を迎えるこのタイミングにおいて、京進グループは新たな未来創造に向けた取り組みを積極的に進めております。日本国内の学齢人口減少が進む中、数年前よりコノセルと共同で展開しておりますAI技術を用いた学習指導「コノ塾」の関西における展開を、今後さらに加速させてまいります。またこれとは別に、新たに民間学童の分野に向けた事業展開を計画しており、「小1の壁」と呼ばれる小学生の保護者が働きづらいという社会課題の解決にも貢献してまいります。また、介護分野では、健康寿命を延ばすことを目的としたリハビリ特化型デイサービス「Pita Labo【ピタラボ】」を開始し、高齢化社会において、要介護状態となることをできる限り防ぎ、健康寿命を延ばす、“介護予防”という国の方針に対応した事業展開を進めてまいります。さらに、国際社会を見据え、留学生の日本語教育
や海外人材の就労支援を強化し、これまでのミャンマーに加え、インドやネパールといった国々の国家機関と連携し、海外支社の開設や、海外の日本語学校・職業訓練センターの開設も進めています。このような事業展開により、京進グループが提供する付加価値はさらに高まり、より多くの方々に必要とされる企業へと成長していくことを確信しています。
京進グループが多様な事業展開を行う上で、今後最も重要となるのは、それぞれの事業が持つ強みを最大限に活かし、相互に補完し合う関係を築くことです。学習塾で培った教育ノウハウを他事業へ展開するだけでなく、それぞれの事業間で連携を深めることで、お客様に提供するサービスの質と価値を高めています。
50周年を機に、社内では「わたしたちを知ろう、共に進もう」というスローガンのもと、単一の事業だけでなく、関連する複数の事業が協力し、お客様にとってより良いサービスを提供できるような取り組みを進め、企業価値を着実に向上させております。また、当連結会計年度には「ステキな大人が増える未来をつくる」というビジョンに基づく価値創造プロセスも作成し、より企業価値の向上を目指す道筋を具体化しております。
創業者が掲げた「絶えざる革新」という社是は、50年の歴史の中で幾度もの挑戦を支えてきました。その精神を受け継ぎながら、私たちは既存事業の強化に努めるとともに、新規事業への挑戦を通じて多様化する社会の課題に対応し、株主の皆様には長期的な価値をお届けしてまいります。
株主の皆様には、これまでのご支援に深く感謝申し上げるとともに、今後も京進グループの歩みを見守り続けていただければ幸いです。私たちの挑戦が、企業価値の向上のみならず、社会の発展に寄与していく姿をぜひご期待ください。今後とも変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2025年8月28日
株式会社京進
代表取締役社長 立木 康之
