2014.05.01

世界の中の日本と今後の京進

今後の京進の「あるべき姿」を構想するには、将来の世界と日本の姿をしっかりと認識しておく必要があると考えています。

一般に、所得が高い先進国は成長率が低くなり、所得の低い国は成長率が高いため、それが続いていくと必然的にどこかで収斂していくという「収斂理論」が経済学にはあります。この収斂が凄まじい速度で現在起きています。中国始め、タイ、ベトナム、インドネシアなどの東南アジアの国々の成長力は凄まじい勢いで伸びています。

・アジアの中間所得層は現在5億人ですが、2020年には17.5億人と3.5倍に膨れ上がる。
・人間らしく生きるためにいろいろな消費ができるとされる、1日10ドル以上の所得層は、現在、世界人口70億人中10億人ですが、2025年には世界人口79億人中42億人に増える。

(シンガポール国立大学のマブバニ教授説)

人類史上初めて、地球上の半分以上の人が貧困から脱する時代に向かう、という認識は重要です。

こういう大きな変化の中で、わが国の成長率は鈍化し、人口は逆に減少するという方向に向かっています。今月の5月3日に日本政府は、このままでは我が国の人口は急激に減少し、2100年には、5000万人を切ることになると推計しています。そのため、出生率の改善など、人口増加策を発表しました。しかし、出生率の改善だけではすぐには効果がありません。そのため政府としては、その穴埋めとして、移民など外国人の活用を考えているようです。
その際、理想論の優秀な人材を移民として入れるだけでは、日本の産業や医療などの社会が成り立たないことを考えると、規制緩和策を行い、事実上の移民を受け入れざるを得ないと思います。

京進では、現在の学習塾部門の他に、英会話や日本語教育をベースに、留学生や人材の交流に力を注いでいます。また、政府が力を入れています保育事業も、今後さらに拡大を図っていこうと考えています。
社会の要請と望まれる方向を目指し、教育と文化の向上、社会の進歩と善良化を目指す経営理念の追求を、今後も続けたいと思っています。

 

代表取締役会長 立木 貞昭