リーダーの心得
戦国武将、佐賀鍋島藩の藩祖である鍋島直茂が、生き方の基本を示した「家訓二十一ヶ条」(御壁書)というものがあります。その中に、人の上に立つ者の心得として、私を含めて全職員が心しておきたいと思う内容がありました。
第3条「已下の心を能く計り、その旨を以って上に至って校量し候わば、外れ有り難く候」
…自分より立場が下の者の心をよく推し量り、その趣意を上の立場になって比べ合わせて考えると、およそのことはうまくいくものだ
人の心は天地の心(この世の根源的な心)とみな同じである。ところが自分自身の心に執着するので、立場の高い人と低い人の心が離れ、良くないことが起きる。人それぞれに顔かたちが違うように、自分自身の心と同じものはひとつもない。
人には天から与えられた根本原理がある。この原理を自分よりも立場の低いものに当てると、高い立場に至ったときの行動規範が見えてくる。自分よりも立場の高いものに当てれば、低い立場に至ったときの行動規範が見えてくる。上司部下・親子・夫婦・兄弟・盟友の中心で根本原理としての身を立て、十方に原理を当てた時は、道はおのずと決まり実践される。
これは人の上に立つ者の心得を示したものだと思います。
上に立つ者は常に下の立場の人たちの心を慮らなければいけないし、勇気ある発言には耳を傾けないといけないということです。下の立場の人たちは思っていても言えないことがあります。しかし、思いは日頃の言動に出るものです。それに対して、威圧的な言動をしたり、言いたいことが言えないような雰囲気を作ったりすることなく、リーダーとして気を配りなさいということです。
教師と生徒も同じです。教師は子どもたちの良きリーダーとなるべきです。常に温かい心で生徒の心を慮り、ひとりひとりに適切な声かけをする。日頃はなかなか言えないことも、この先生になら素直に言える、と思える雰囲気づくりをする。そんな温かい教室を目指し、我々は良きリーダーとして、生徒たちを夢実現へと率いてまいります。
代表取締役社長 白川 寛治
※鍋島直茂:佐賀鍋島藩の藩祖。知仁勇を兼ね備えた名将で、藩主竜造寺隆信をよく補佐して肥前の国威を伸ばし、文禄・慶長の役には再度朝鮮に出陣、加藤清正と並び進み、各地に転戦して功を立てる。これにより徳川家康から領地の封印を受け、佐賀35万7千余石の実権を握った人物。